Dead Musicians Society

日々の話や音楽工房ピーチジャムのことを綴っていきます

Let's Vote!

 

その船を漕いで行け

お前の手で漕いで行け

お前が消えて喜ぶ者に

お前のオールをまかせるな

 

中島みゆきの「宙船」の歌い出しです。

とても「骨」のある曲で大好きな曲です。

話は変わりますが、先日「SEALDs」がフジロックに出演するということになり、これに多数の批判が相次いだというニュースを耳にしました。

要は音楽に政治を持ち込むなということらしいです。

さてこの批判には当然反対する意見も出ました。

もともとロック等は反体制の音楽だから政治とは切っても切れないものだという意見が多かったようですね。

まさに正論。

私は、フジロックのような場にはどんな背景を持った音楽でも構わないと思っております。当然政治的、思想的な音楽だって全く構わないと思ってます。

「政治」というだけで昨今の若者達は何か毛嫌いし、「政治」を口にすることはダサいといった感じで一種アレルギーのように感じてしまっているのではないでしょうか。

しかし私は思いました。「これはひょっとすると操られているのでは?」と。

例えば選挙。投票率が年々下がっているという嘆きをあちこちで聞きます。

選挙権年齢が18歳になってもイマイチ投票率が上がっていないと聞きます。

たとえばフジロックなどのフェスの会場で選挙が行われればもっと投票率もあがるのではないかと思ってしまいます。

でも政府はそんな事しませんよね。

なぜなら彼らは国民に対し、政治に興味を持って欲しくないと思っているからだと思います。

投票率が上がったら浮動票が増えて、選挙をコントロールするのが難しくなるからです。

さらに、現政権ではメディアに対しての圧力も結構なものなんだそうです。

国民が政治に無関心な国というのは、確かに良い国なのかもしれません。それだけ不満がないという事ですから。

無関心なのか無関心にさせられているのか?

それが問題です。

しかし今はそんな事を言っている場合ではない気がします。

政治に無関心な人、無関心にされている人ももう一度考えてみてください。

本当にそれはあなたの本意でしょうか?

愛だの恋だの夢だの希望だのという音楽にうつつを抜かしてはいませんか?

そういった音楽を否定するワケではありません。

もちろん名曲も多いですから。

しかし無毒な音楽が本当に多いですよね。

ダサいのかもしれませんが「SEALDs」のラップには骨があると思います。

少なくともそこらへんのJ-Popなんかよりは。

 

 私は、レッスンの時によく先生に「自分から発信しろ」と言われます。

どういう事なのか?

とくにアドリブでは目の前に道はない。

自分で作って歩いて行くしかないんです。

メロディではっきりと自己を表現する。

そう自分の手で「漕いで」行くのです。

他人に操られてはいけません。

それは自分の世界なのだから。

全ては自分で決めるのです。

自分の意思を持って行動するいう事。

ジャズも人生も同じなのではないでしょうか。

まあ、こんな事を書いていますが私もそれほど政治に興味があるワケではありません。

しかし今回の参院選はちょっと注目しているのです。

 

とにかくこの週末はみんなで選挙に行きましょう。

「何もしなければ何も変わらない」

そんな使い古された言葉が今こそ意味を成すのです。

 

お前が消えて喜ぶ者にお前のオールをまかせるな!!

 

 

 

型にはまろう!

ジャズに限らず、何か芸術的な事をしている方でしたら必ずこう思うのではないでしょうか?

   人と違った事がしたい

 

でも思ったからと言って誰もが天才ではないワケで、それでも無理して変わった事をやっていると単なる変人として扱われてしまいます。

人と違った事、つまり型破りな事をするにはどうすればいいか?

以前他所でも書いたのですが、二代目市川亀治郎氏(現・四代目市川猿之助)の言葉を借りれば「型破りな事をする為には型にはまること」です。

つまり伝統の継承でしょうか。

先人達の残してくれたもの(ジャズで言えばビバップなど)をきちんと学習するということです。

まさに温故知新というワケですね。

ジャズの場合、もっと具体的に言えばオリジナルのコード進行通りにちゃんと弾いてみるってことも大切だと思います。

Ⅱm7−Ⅴ7のフレーズなんて、私の場合ですがⅡを飛ばしていきなりⅤにいってしまうことが多いですね。

とにかくきっちりとオリジナルのコード進行を型どって弾いてみることをお勧めします。

そうしているうちに、ここが何か足りないとかもっとこうしたいといった感じになってきます。

過去から学ぶことは思った以上にたくさんあるものです。

さあ、あなたも型にはまってみませんか?

 

 

ココロニモナイオト

先生はギターをプレイしながらスキャットします。

スキャットと言えば、思い浮かぶのはジョージ・ベンソンですよね。

他にもおそらくスキャットするギタリストはいると思います。

しかしこれはかなりの高度なレベルなんです、実は。

試しにやってみると分かります。

おそらく、スキャットよりもギターの音のほうが先行しているのでは?

これは大きな問題なんです。

私は事あるごとに「ちゃんと(心に)浮かべて音を出せ」と先生に言われます。

一音一音、噛み締めて音を出さなければいけません。

ギターは、その性質上フレットボードのポジションを見て、つまり「視覚的」に捉えて演奏する事が可能な楽器です。

それゆえ、学びやすく愛好者が多いとも言えます。

ですがここが落とし穴になります。

ポジションさえある程度把握してしまえばそこそこ演奏できてしまうんです。

より深く追求していくと「視覚的」に捉えるという事は、そういった理由でしっかりとした演奏の大きな妨げになってしまうのです。

それは「視覚」に捕らわれ、一番大切な「音を浮かべる」という事を忘れてしまうからです。

 重要なのは「音」を出す順番なのだと思います。

 

理想的なのは・・・・

  1. 音を浮かべる (心)
  2. 楽器上でその音のでる位置を確認(腕)
  3. 実際に音を出す(楽器)

といったところでしょうか。

 

譜面を見ながら演奏している(クラシックなど)場合は1の前に譜面を見るが足されますね。

ジャズの場合、この3段階のサイクルを瞬時にやるということになります。

視覚的に捉えてしまうと1段階目が無くなってしまいますね。

そう、それは楽器まかせのダメな演奏。

個人的に「心にも無い音(演奏)」と名付けました。

言葉と一緒で心にも無いものは説得力に欠けるものです。

さて同じような言葉で「心無い」という言葉がございます。

今回の事で、さてどちらを使おうかと思ったのですがどうやら受け取り方によってはどちらも使えそうです。

 

心無い ひどい事 無情な事 理不尽な事・・・酷い

心にも無い  本心では無い事 嘘 でまかせ・・・

 

楽器まかせのダメな演奏を聴けばひどい仕打ちと思ってしまうかもしれないので、そうなると受け手にとっては「心無い音」でもいい気がしますよね。

つまりプレーヤーが心にも無い演奏をすれば、聴衆は心無い演奏と感じてしまうといったところでしょうか。

 

1日練習しなければ自分に分かる。
2日練習しなければ批評家に分かる。
3日練習しなければ聴衆に分かる。

ルフレッド・コルトー (仏のピアニスト)

 

無責任な音の羅列は避けたいものです。

自分の出す「音」には責任を持たなければいけないと思いました。

 

 

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ドリアンてなんだろう?

ジャズを習っている方なら、まずご存知だと思います。この「ドリアン」という言葉。

ジャズのアドリブでは2度ー5度ー1度(ルート)の動きが基本となります。

「ドリアン」とは2度マイナーを指しております。つまりサブドミナント

先生は「自分はドリアンプレーヤーだ」と言います。

さてどういう意味なのでしょうか?

それはドリアンを基軸にラインを組み立てているからだそうです。

例えばDm7ーG7ーCM7だとしたらDm7が2度ですよね。

もちろんDm7はドリアンになりますが、もう一つドリアンがでてきます。

それはG7の裏コードのDb7の5度。

つまりAbm7がでてきます。

このAbm7でAbドリアンが導き出されます。

これはどういう事かと言われたら一瞬の転調という事になります。

本来のコードがG7で、そこにDb7が重なってくるので一瞬F#Mキーに転調するのです。

Db7はF#Mのドミナントですからお分かりかと思います。

つまり「半分の距離」減五度に転調したと言う事ですね。

こうする事で一瞬、不思議な浮遊感を得られるのです。

G7で、もし普通に弾きたいのであればDドリアンをそのまま引っ張ってくればGミクソリディアンになりますし、オルタードにしたいのであればAbドリアンの7thの音をシャープさせてメロディックマイナーにしてあげればいいです。

「ドリアン」はとても使い勝手のよいツールなのです。

 

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強烈な努力

先日「クレイジージャーニー」という深夜番組で藤沢秀行という囲碁棋士を知りました。

囲碁の世界では知らない人はいないほどの達人らしいですね。

かなり破天荒な人らしく、愛人をたくさん作ったり、ギャンブルにはまったり、酒に溺れたりと絵に描いたような荒れぶりだったそうです。

しかしながら囲碁棋士としては他を寄せ付けないほどの腕前だったそうで、人からも愛され尊敬されるといった魅力ある人物だったそうです。

そんな彼がこの世を去る前に遺したのが「強烈な努力」というシンプルな言葉。

彼のような人が言っているだけに、シンプルながらものすごい深さを感じます。

この人の言葉はピーチジャムの先生に通じるものがあるんです。

まあこの人ほど破天荒な生き方はしていないと思いますが。

特に「美しさ」にこだわっているところ。

 

「無限の世界だからわかるわけがない、ただ美しさがあるかどうか」

 

先生もいつも同じように「美」にこだわっています。

 

「宇宙と同じで、碁は有限なんだけど無限に近い」

 

これも先生が良く言う言葉に似ています。

私には、まだ到底このレベルの領域にはたどり着けていませんが、いつか行ってみたい場所だと思ってます。

 ところでこの藤沢秀行、後進の指導にも意欲的で多くの弟子たちがおりましたが全てを包み隠さず教えてしまう為、弟子に負ける事もあったそうです。

そんな時でも、弟子が強くなれば自分もまた刺激を受け更に強くなれると笑っていたそうです。

私もはやくそんな弟子になってみたいです。

まだまだ時間がかかりそうですね〜。

 

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野垂れ死に(新潮新書)

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そうだ、Jazzでも聴こう! その1

何事も上達の近道は「真似る」という事ですね。

ジャズギターも勿論例外ではありません。

ピーチジャムでも好きなギタリストを見つけたら、すぐコピーして何をやっているか把握しなさいと言われます。

でも結構面倒くさいんですよね。

そんなワケで、それをサボった私は今でもイマイチなギターを弾いてます。

無数にあるジャズの名演の中で、果たして何をピックアップしたら良いのか?

迷うところですよね。

一番いいのは自分の耳で聴いて、これぞっていうものがあればそれが一番です。

それでも、もし何を選んだら良いか見当もつかないとおっしゃる方にお送りします。

今回はGeorge Bensonのライブアルバム「After Hours」です。

いきなり真打登場といった感じです。

このアルバムは、実は当初「Live at the Casa Caribe」という題名でほぼブートレグ同然で出回っていたらしいです。

ちょっと昔だと、よく駅前にワゴンを出してバッタもんのCDが良く売られてましたよね。このCDは結構そんなところで1枚980円くらいで売られてました。

録音は1973年5月。

録音状態は… お世辞にも良いとは言えません。

いや、むしろ最悪と言っても過言ではありません。

音の定位はあっちこっち飛ぶし、曲も途中から入ったりしてます。

でも、ベンソンは最高の演奏を聴かせてくれるんです。

先生は「ジャズギターの全てが詰まっている」と言っております。

恐らくベンソン自身も当時のように弾く事はできないでしょう。

ある意味、全てのジャズギターの歴史上最高の演奏ではないかと思われます。

本当にそれくらいの演奏です。

私のオススメは「There Will Never Be Another You」です。

私がジャズを始めて間もない頃、日本のあの有名ジャズギタリストN氏がこの曲をやっていて「なんてつまらない曲なんだ」と思っていたのですが、ベンソンの演奏を聴いてこの曲が大好きになりました。

演奏する人が違うとこんなにも違うんだと改めてジャズの素晴らしさに気がついたあの日でした。

現在このCDは入手困難な状態です。アマゾンでは新品で15,000円以上します。

ですが最近はネット配信でも手に入るそうなので是非手に入れてください。

それではまた。

 

 

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Let's Be-Bop Tonight !

宇良和輝という力士をご存知ですか? 最近、ちょっと話題になってますよね。

身長170cmそこそこの小兵の彼は学生相撲出身で、多彩な技を繰り出す事で有名になりました。

そのあまりにもアクロバティックな技の数々は多くのファンを魅了しました。

そんな彼が、角界入りわずか一年あまりで十両昇進が決まったのです。

それは、とてつもなくすごいことなんだそうです。

おおかたの予想では大相撲では彼の相撲は通用しないと思われていました。

しかし蓋を開けてビックリ、彼は以外とオーソドックスな相撲もちゃんと取れるという事がわかったのです。

「誰にも真似のできない相撲を取りたい」と基本を押さえつつ、ウェイトトレーニングを取り入れ、レスリングなどの経験を生かして今に至っています。

これからも彼の活躍に期待しましょう。

 

さてジャズにおいても同じ事が言えると思います。

やはり基本がないと説得力のある演奏はできないと思います。

ジャズの場合で言いますと、やはりビバップ

私の感覚ですとビバップは「骨格」のような気がします。

昨今のジャズギタリストでも、上手いと言われるプレイヤーは必ずビ・バップの匂いがします。

たとえビバップフレーズを弾いていなくても、そこを通ってきたか否かで差が出るような気がします。

それはやはりビバップが基本だからではないでしょうか。

私の場合も、最初はビバップから入りました。

ビバップにはジャズ特有の雰囲気があります。

キース・ジャレットはインタビューで「ジャズは民族音楽だ」と言っておりました。

まさにそんな雰囲気をビバップには感じます。

もちろんビバップだけではただの懐メロになってしまいます。

ビバップという「骨格」に今という「肉」をつけて行く事が現代のジャズになるような気がします。

偉大なるレガシーに感謝!!

 


幻の技「居反り」 驚異の身体能力【宇良】

 

 

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