始まりはいつも " F " ~ コードのはなし
最近、テレビタレントたちが俳句を作って競いあう番組を見ました。
番組中、俳句を審査する夏井先生がなかなかの毒舌で面白いのです。
それもあってか、結構な人気コーナーらしいです。
でも俳句って面白いですね。
まあ、素人の私が知っている事と言えば、字数は5、7、5の17文字で季語が入っているって事くらいでしょうか。
でもさすがに、本当に奥が深いんですね。
例えば、限られた字数の中でどうやって無駄な言葉を省いていくかって事。
「風が吹く」なんて言葉を入れようものならこの先生の毒舌が唸ります。
風なんて吹くものなんだから風っていう一言で十分なんだそうです。
なるほど、言われてみればそうですね。
そうやって無駄を省き、言葉を映像化していきます。
よくやりがちなのが、作った本人には分かるんだけど、まったく情報のない他人にはちんぷんかんぷんに聴こえてしまう句。
それは客観的に見て映像化できていないっていう事になりますね。
話は変わりますが、ピーチジャムの先生は口を酸っぱくしていつも「コード、コード!」と言っております。
コードと言われて何を連想しますか?
そうですね、いわゆるドミソみたい和音ですね。
しかし、どうやらそんなに単純な話ではないようなのです。
まずコードを弾けと言われたら、まず任意のM7のポジションとかを弾いてしまいます。
確かにそれはコード、つまり和音ですから間違いではありません。
でもそうではないと言われます。
さてさて、では今度はもっとそれらしく分散和音でどうでしょう?
確かにそれもコード、つまり和音ですから間違いではありません。
でも、それでも違うと言われます。
どうやら大きな勘違いをしていたようです。
つまり「コード」というのは確かに和音のことですが、先生曰く「歌」なのだそうです。
その事に気づくのに結構時間がかかりました。
しかしまだ言葉では上手く説明ができません。
そう、まだまだ未熟なのでこんな事が起こりました。
レッスンでいきなり何かモチーフを弾いてみろと言われました。
私は頭の中にCm7をイメージしてCmの5度から6度、6度からナインスといった感じで弾いて見ました。
しかし先生にはただのGに聴こえてしまったのです。
Cm7でGですから間違っている訳ではありません。
でもそれはちょっと違いますよね。
私はCm7を感じてもらえると思っていたのですから。
まあそれもそのはず。理由は簡単、コード(和音)の提示をしていなかったからなんですね。
自分の頭の中ではちゃんとCm7が鳴っているのですが、それが他人に聴こえるはずがありませんよね。
なので先生にはただのGキーのルートからナインス、ナインスから5度といった感じに聴こえたんです。
先ほどの俳句の話ではありませんが、映像化できないと伝えたくても伝わらないっていう事につながる気がします。
コードの提示はまさに映像をくっきりさせる事に似ていると思います。
映像化して自分の居場所を正しく相手に伝えないといけませんね。
そうしていけばいつか「歌」にたどり着けるかもしれません。
勉強、勉強。