強烈な努力
先日「クレイジージャーニー」という深夜番組で藤沢秀行という囲碁棋士を知りました。
囲碁の世界では知らない人はいないほどの達人らしいですね。
かなり破天荒な人らしく、愛人をたくさん作ったり、ギャンブルにはまったり、酒に溺れたりと絵に描いたような荒れぶりだったそうです。
しかしながら囲碁棋士としては他を寄せ付けないほどの腕前だったそうで、人からも愛され尊敬されるといった魅力ある人物だったそうです。
そんな彼がこの世を去る前に遺したのが「強烈な努力」というシンプルな言葉。
彼のような人が言っているだけに、シンプルながらものすごい深さを感じます。
この人の言葉はピーチジャムの先生に通じるものがあるんです。
まあこの人ほど破天荒な生き方はしていないと思いますが。
特に「美しさ」にこだわっているところ。
「無限の世界だからわかるわけがない、ただ美しさがあるかどうか」
先生もいつも同じように「美」にこだわっています。
「宇宙と同じで、碁は有限なんだけど無限に近い」
これも先生が良く言う言葉に似ています。
私には、まだ到底このレベルの領域にはたどり着けていませんが、いつか行ってみたい場所だと思ってます。
ところでこの藤沢秀行、後進の指導にも意欲的で多くの弟子たちがおりましたが全てを包み隠さず教えてしまう為、弟子に負ける事もあったそうです。
そんな時でも、弟子が強くなれば自分もまた刺激を受け更に強くなれると笑っていたそうです。
私もはやくそんな弟子になってみたいです。
まだまだ時間がかかりそうですね〜。
そうだ、Jazzでも聴こう! その1
何事も上達の近道は「真似る」という事ですね。
ジャズギターも勿論例外ではありません。
ピーチジャムでも好きなギタリストを見つけたら、すぐコピーして何をやっているか把握しなさいと言われます。
でも結構面倒くさいんですよね。
そんなワケで、それをサボった私は今でもイマイチなギターを弾いてます。
無数にあるジャズの名演の中で、果たして何をピックアップしたら良いのか?
迷うところですよね。
一番いいのは自分の耳で聴いて、これぞっていうものがあればそれが一番です。
それでも、もし何を選んだら良いか見当もつかないとおっしゃる方にお送りします。
今回はGeorge Bensonのライブアルバム「After Hours」です。
いきなり真打登場といった感じです。
このアルバムは、実は当初「Live at the Casa Caribe」という題名でほぼブートレグ同然で出回っていたらしいです。
ちょっと昔だと、よく駅前にワゴンを出してバッタもんのCDが良く売られてましたよね。このCDは結構そんなところで1枚980円くらいで売られてました。
録音は1973年5月。
録音状態は… お世辞にも良いとは言えません。
いや、むしろ最悪と言っても過言ではありません。
音の定位はあっちこっち飛ぶし、曲も途中から入ったりしてます。
でも、ベンソンは最高の演奏を聴かせてくれるんです。
先生は「ジャズギターの全てが詰まっている」と言っております。
恐らくベンソン自身も当時のように弾く事はできないでしょう。
ある意味、全てのジャズギターの歴史上最高の演奏ではないかと思われます。
本当にそれくらいの演奏です。
私のオススメは「There Will Never Be Another You」です。
私がジャズを始めて間もない頃、日本のあの有名ジャズギタリストN氏がこの曲をやっていて「なんてつまらない曲なんだ」と思っていたのですが、ベンソンの演奏を聴いてこの曲が大好きになりました。
演奏する人が違うとこんなにも違うんだと改めてジャズの素晴らしさに気がついたあの日でした。
現在このCDは入手困難な状態です。アマゾンでは新品で15,000円以上します。
ですが最近はネット配信でも手に入るそうなので是非手に入れてください。
それではまた。
After Hours Universe Italy https://t.co/YsDlzO312Q @amazonJPさんから
— kusaka_moon (@kusaka_moon) 2016年6月4日
Let's Be-Bop Tonight !
宇良和輝という力士をご存知ですか? 最近、ちょっと話題になってますよね。
身長170cmそこそこの小兵の彼は学生相撲出身で、多彩な技を繰り出す事で有名になりました。
そのあまりにもアクロバティックな技の数々は多くのファンを魅了しました。
そんな彼が、角界入りわずか一年あまりで十両昇進が決まったのです。
それは、とてつもなくすごいことなんだそうです。
おおかたの予想では大相撲では彼の相撲は通用しないと思われていました。
しかし蓋を開けてビックリ、彼は以外とオーソドックスな相撲もちゃんと取れるという事がわかったのです。
「誰にも真似のできない相撲を取りたい」と基本を押さえつつ、ウェイトトレーニングを取り入れ、レスリングなどの経験を生かして今に至っています。
これからも彼の活躍に期待しましょう。
さてジャズにおいても同じ事が言えると思います。
やはり基本がないと説得力のある演奏はできないと思います。
ジャズの場合で言いますと、やはりビバップ。
私の感覚ですとビバップは「骨格」のような気がします。
昨今のジャズギタリストでも、上手いと言われるプレイヤーは必ずビ・バップの匂いがします。
たとえビバップフレーズを弾いていなくても、そこを通ってきたか否かで差が出るような気がします。
それはやはりビバップが基本だからではないでしょうか。
私の場合も、最初はビバップから入りました。
ビバップにはジャズ特有の雰囲気があります。
キース・ジャレットはインタビューで「ジャズは民族音楽だ」と言っておりました。
まさにそんな雰囲気をビバップには感じます。
もちろんビバップだけではただの懐メロになってしまいます。
ビバップという「骨格」に今という「肉」をつけて行く事が現代のジャズになるような気がします。
偉大なるレガシーに感謝!!
今を生きる
さて、このブログのタイトル「Dead Musicians Society」
これは映画「今を生きる」の原題のパクリです。
原題は「Dead Poets Society」(死せる詩人の会)のPetsをMusiciansにしてみました。
この映画はとても有名なので観た方も多いと思います。
厳格な寄宿学校に転任してきた教師ジョン・キーティング。
赴任早々生徒達に教科書を破かせたり、机の上に立たせて視点を変えろと言ったりとその型破りさを発揮。しかし次第に生徒達の心を掴んで行くと、簡単に言えばそんな感じです。
この映画を観ていると、ピーチジャムでのレッスンを思い出すんです。
先生にはいつも既成概念にとらわれるなとか、一つの道じゃなく他の道も見ろと言われています。レッスンのたびに、分かっていると思っていた事も実はそうじゃないんだと思う事が多いですね。
そしてそれらのレッスンはジャズや音楽だけでなく、普段の生活に共通している感じがします。
うん、奥が深い。
音楽工房ピーチジャムって?
私はジャズギターを習っております。それはそれは長いあいだ。
長いといってもギュッとしたらそう大した時間ではないのかもしれません。
現にあまり上手くなってませんから。
ですので私の話はさておき、私の通う「音楽工房ピーチジャム」の話です。
場所は巣鴨。教室を立ち上げて23年経ちます。
ここでは主にジャズを教えていただいているのですが、その他の音楽でも対応していただけます。ロックもポップスもオーケー。
生徒さんの年齢層も幅広く、下は小学生から上はご老人まで様々な方がおられます。
とてもこじんまりした教室ですが、そこはそれなりに小さな教室ゆえの行き届いたレッスンが受けられます。
講師の先生はご夫婦で、二人とも人に教える立場でありながら自分たちの腕を磨くことも忘れないストイックな方達です。常に何かを感じ、美しさを追求しているのです。そして日々新しいことにチャレンジしている姿勢には、ただただ感心してしまいます。
レッスンは個人レッスン。これといった教科書はなく、あくまでも生徒さん個人個人に合わせたレッスン、さしずめ「オーダーメイドレッスン」といった感じでしょうか。
楽器を習うということは譜面が読めなければいけないのではと思いがちですが、こちらではほとんど、簡単なコード譜以外の譜面などは使いません。ただ生徒さんからの要望があればその限りではありません。
この教室では譜面よりも「耳」に重点を置いているのです。もちろん譜面が読めたほうが何かと便利ではありますが、ジャズの演奏に置いてはそれほど重要視はしていないのです。書かれたもの以外を演奏するのがジャズですからね。
そしてこの教室では「コード」を重要視しています。いわゆる「和音」を示す「コード」ですがそれよりももっと深い意味での「コード」です。全ての音楽的旋律は「コード」で形成されているという考えでレッスンをしています。
先生の口癖は「考えるな、感じろ」です。と言っても先生は別にブルース・リーのファンではありません。でも瞬時に様々な動きが要求される格闘技とジャズは、以外と似ているのかもしれません。"Don't think. Just feel!" 行き着くところは皆この境地なのではないかと思います。
さてこんな感じの「音楽工房ピーチジャム」ですがいかがでしょうか?
よろしければ講師の演奏を聴いてみてください。
何かを感じていただけると思います。