Dead Musicians Society

日々の話や音楽工房ピーチジャムのことを綴っていきます

Jazzica Custom

さて、今回は私の使っているギターについてお話ししましょう。

ギターはHofner Jazzica Custom。

いわゆるアーチトップギターまたは「フルアコ」と呼ばれるギターです。

どこかで見た事あるとお思いでしょう。

そうです、私の先生の使っているギターと同じです。

最初に先生がこのギターを手に入れてとても良い音がするので私も購入。

私はドイツから通販で購入しました。

何せもう実物を試奏済みですので安心して購入できました。

でも注文から半年ほどかかりましたが。

その分国内で買うより安く(しめて17万円ほど)購入できたのでまあ良しとしました。

当時はまだユーロが安く、その後にこのギターなんと国内では50万円くらいまで値が上がったらしいです。

さてHofnerと言えば、まず一番に思いつくのはあのバイオリンベースでしょう。

しかし当然ですがギターもあります。

と言いますか本来はギターの方が有名です。

特にHofnerはビザールギター(変わり種ギター)で有名なんです。

バイオリンベースも、今でこそポール・マッカートニーのお陰で市民権を得ていますが、本当に変な形の楽器ですよね。

で、そのビザールをちょっとだけ受け継いだギターがこれなんです。

Jazzica Custom モデル2003 。

このギターはベンソンチルドレンでおなじみのボビー・ブルームもご愛用です。

フルアコを持っている方ならお気づきと思いますが、なんと24フレットあるんです。

このあたりがちょっとビザールかなと思ってます。

私の知っている限りでは特注品を除き、24フレットまであるフルアコギターを見た事ありません。

24フレット仕様は初代Jazzicaが産声を上げた1989年から変わっていないそうです。

デザインは現在のヘフナーのCEOのKlaus Schollerさんだそうです。

この情報はひょっとすると古いかもしれませんが、とにかくそんな偉い人がデザインしたという事です。

当時は「アーチトップの革命」と言われたそうです。

今でもなかなか革新的なルックスに見えますので当時としてはまさに型破りだったのでしょうね。

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 この下の写真の右上をご覧いただけたらお分かりと思いますが、ボディ厚がボトムからトップにかけて狭くなっています。

これはプレイしやすくなると同時にボディ内の容積を稼いでいると思われます。

さらに下の左側と右下の写真ではFホール(Jazzicaの場合はスラッシュタイプサウンドホールと呼ぶそうです)の右側を付属のサウンドダンパー(振動を減らすふた)でふさいでいます。

こうする事でフルアコ特有のハウリングを減らす事ができます。そんな便利なものがデフォルトで付いてくるなんてすごい気配りですよね。

本来はピックガードが付いているのですがちょっと邪魔になるので外しております。

ノブもスピードノブに替えてあります。

元々のノブは小さくて無地でしたのでちょっと使いづらかったのです。

前回の「Impressions」を聴いていただけたら音もかなり良いという事がお分かりになると思います。

弾いている側から言わせていただきますと、とにかく反応が早いですね。

抜けもいいですし箱鳴りも良いバランスです。

それと何と言っても24フレットあるのでハイポジションへのアクセスがとても容易だという事。

16フレットでボディと接合されているので、ひょっとするとストラトより弾きやすいかもしれません。

 

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さてこのJazzica Customですがモデル2007で制作が止まっているようです。

それ以降は特注品をチラホラ見るのみとなってしまいました。

ドイツの通販サイトでは現在でも新品を購入できるところも若干あるようです。

あとはe-bayなどのオークションサイトで手に入れる事もできます。

もちろん中古ですが相場は20万円から30万円といったところだと思います。

もしどこかで見かけたら手に入れてみてはいかがでしょうか?

持っていて損はありませんよ。

 それでは。

 

 

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ワカル? ワカンナイ?

さて、一般的にジャズは分かりずらい音楽なのかもしれません。

よく、私がジャズをやっていると言うと「へー、難しい事やってんね」などと言われますので。

ただジャズと言っても、特にボーカルの入っている演奏なんかですと分かり易いと思いますが、そうでない演奏(いわゆるアドリブ中心)ですと分からないとなってしまうのでしょう。

レッスンの時など、よく先生に言われるのは「分かる必要はない、大切なのは感じるかどうか」と。

例えばジョン・コルトレーンの演奏、特に後期のフリーとも言える演奏なんてハッキリ言って本人以外誰も理解できないんじゃないかと思います。

それでも、その演奏から伝わって来る熱気やメッセージ等をなんとなく感じる事ができると思います。

要はその演奏を良いと思うか否かという事なんだと思います。

ただプレイヤーとしては、できればどんな演奏をしているかを把握しておきたいものです。

がんばってコピーしてアナライズして。

それでも込み入った演奏に関しては、最終的には想像するしかないと言う事もあるようです。

先生は昔からコルトレーンを研究しておりました。

それはかなり根気のいる作業だったと思います。

でもその甲斐あって、最近では結構理解できるようになったと言っております。

コルトレーン研究の延長で、最近ではメシアンの研究もやったりしております。

メシアンの事については追い追い。

ですからハッキリ言ってその演奏の真の凄さが私には100パーセントは理解できていません。

ただ、良い演奏だと言う事はよく分かります。

それは何故か?

理由は分かりませんが何かが伝わってくるからです。

良い演奏を聴く時はこちらも心を開かなくてはいけないと思うのです。

邪心を捨て、まっさらな気持ちになって耳を傾ける。

そうする事で今まで聴こえてこなかったものも聴こえてくるのかもしれません。

分かるとか分からないとか全く関係のない世界なんです。

 

さて今回先生が久しぶりに動画をアップしました。

曲はご存知コルトレーンの「Impressions」です。

ソロギターの題材としてはなかなかのチャレンジだと思います。

ギターからケーブル一本でちっちゃなZT Lunchboxアンプに直の潔い音です。

何のエフェクトもありません。

まさに裸の音。

今回はメシアンの1、2、3、4、6番を織り込んでいるそうです。

しかしそんな事はこの際スルーして聴いてください。

 一度では良さが伝わらないかもしれません。

何度も無心になって聴いてみてください。

何か伝わったら幸いです。

 

 


Impressions ~ Solo Guitar 笹原孝之

 

 

締まって行こうゼ!

さて、一般的にジャズギターの練習というのは通常椅子などに座って行います。

そうなりますと、気になるのは腰痛

座り作業ですので、年齢にもよりますが腰が凝り固まってしまう場合が多いのです。

腰痛が気になっては練習にも集中できないですよね。

そこで簡単ですが、中々良いインナーマッスルトレーニングがあるのです。

それはお尻の穴を締める事なんです。

「なんだそんな事か。もうとっくにやってるよ」と言われる方も多いかと。

しかし私がフィットネスジムで教えてもらったのはちょっと(本当に)違います。

それはお尻の穴を2度締めすることです。

お尻の穴を締めると言いましても、知っている方の中でも勘違いされている方も多いと思いますが、お尻全体の筋肉を締めている方が結構多いと思われます。

しかしそれは間違いで、あくまでもお尻の穴一点に集中するのです。

まずはお尻の穴をギュッと締めてください。

上手くいっている否かその見極め方はとても簡単で、締めた時お尻のほっぺ(一番柔らかい)の部分が硬くなっていたらそれは失敗です。

お尻の穴がちゃんと締まっていると、ほっぺの部分は柔らかいままになっているはずです。

もう一度力を抜いてやり直してみましょう。

そして上手く締められたと思ったら、さらにそこからお尻の穴をギューっと締め上げるのです。

例えば巾着袋のひもを締め上げる感じと言えばお分かりになりますかね。

ここが2度締め。

するとあら不思議、お腹のあたりのインナーマッスルが四方からギュッと締まってくるのが感じられます。

ベルト締めていればベルトが緩むくらいお腹周りが縮むのでよく分かると思います。

その状態を10秒ほどキープ。

それを2〜3セットやってみてください。

立ったままでも寝たままでも座ったままでも、いつでもどこでもオーケーです。

朝起きる時腰が辛い方は、夜寝る前にベッドの中などでこれを試してみてください。

ちょっと起きるのが楽になると思います。

あと更に言えば、普段の生活の中でも常にお尻の穴を締めるという事を意識しているとなお良いです。

体幹が鍛えられてバランス感覚も良くなりますよ。

簡単ですので是非試してみてください。

 

 

Let's Vote!

 

その船を漕いで行け

お前の手で漕いで行け

お前が消えて喜ぶ者に

お前のオールをまかせるな

 

中島みゆきの「宙船」の歌い出しです。

とても「骨」のある曲で大好きな曲です。

話は変わりますが、先日「SEALDs」がフジロックに出演するということになり、これに多数の批判が相次いだというニュースを耳にしました。

要は音楽に政治を持ち込むなということらしいです。

さてこの批判には当然反対する意見も出ました。

もともとロック等は反体制の音楽だから政治とは切っても切れないものだという意見が多かったようですね。

まさに正論。

私は、フジロックのような場にはどんな背景を持った音楽でも構わないと思っております。当然政治的、思想的な音楽だって全く構わないと思ってます。

「政治」というだけで昨今の若者達は何か毛嫌いし、「政治」を口にすることはダサいといった感じで一種アレルギーのように感じてしまっているのではないでしょうか。

しかし私は思いました。「これはひょっとすると操られているのでは?」と。

例えば選挙。投票率が年々下がっているという嘆きをあちこちで聞きます。

選挙権年齢が18歳になってもイマイチ投票率が上がっていないと聞きます。

たとえばフジロックなどのフェスの会場で選挙が行われればもっと投票率もあがるのではないかと思ってしまいます。

でも政府はそんな事しませんよね。

なぜなら彼らは国民に対し、政治に興味を持って欲しくないと思っているからだと思います。

投票率が上がったら浮動票が増えて、選挙をコントロールするのが難しくなるからです。

さらに、現政権ではメディアに対しての圧力も結構なものなんだそうです。

国民が政治に無関心な国というのは、確かに良い国なのかもしれません。それだけ不満がないという事ですから。

無関心なのか無関心にさせられているのか?

それが問題です。

しかし今はそんな事を言っている場合ではない気がします。

政治に無関心な人、無関心にされている人ももう一度考えてみてください。

本当にそれはあなたの本意でしょうか?

愛だの恋だの夢だの希望だのという音楽にうつつを抜かしてはいませんか?

そういった音楽を否定するワケではありません。

もちろん名曲も多いですから。

しかし無毒な音楽が本当に多いですよね。

ダサいのかもしれませんが「SEALDs」のラップには骨があると思います。

少なくともそこらへんのJ-Popなんかよりは。

 

 私は、レッスンの時によく先生に「自分から発信しろ」と言われます。

どういう事なのか?

とくにアドリブでは目の前に道はない。

自分で作って歩いて行くしかないんです。

メロディではっきりと自己を表現する。

そう自分の手で「漕いで」行くのです。

他人に操られてはいけません。

それは自分の世界なのだから。

全ては自分で決めるのです。

自分の意思を持って行動するいう事。

ジャズも人生も同じなのではないでしょうか。

まあ、こんな事を書いていますが私もそれほど政治に興味があるワケではありません。

しかし今回の参院選はちょっと注目しているのです。

 

とにかくこの週末はみんなで選挙に行きましょう。

「何もしなければ何も変わらない」

そんな使い古された言葉が今こそ意味を成すのです。

 

お前が消えて喜ぶ者にお前のオールをまかせるな!!

 

 

 

型にはまろう!

ジャズに限らず、何か芸術的な事をしている方でしたら必ずこう思うのではないでしょうか?

   人と違った事がしたい

 

でも思ったからと言って誰もが天才ではないワケで、それでも無理して変わった事をやっていると単なる変人として扱われてしまいます。

人と違った事、つまり型破りな事をするにはどうすればいいか?

以前他所でも書いたのですが、二代目市川亀治郎氏(現・四代目市川猿之助)の言葉を借りれば「型破りな事をする為には型にはまること」です。

つまり伝統の継承でしょうか。

先人達の残してくれたもの(ジャズで言えばビバップなど)をきちんと学習するということです。

まさに温故知新というワケですね。

ジャズの場合、もっと具体的に言えばオリジナルのコード進行通りにちゃんと弾いてみるってことも大切だと思います。

Ⅱm7−Ⅴ7のフレーズなんて、私の場合ですがⅡを飛ばしていきなりⅤにいってしまうことが多いですね。

とにかくきっちりとオリジナルのコード進行を型どって弾いてみることをお勧めします。

そうしているうちに、ここが何か足りないとかもっとこうしたいといった感じになってきます。

過去から学ぶことは思った以上にたくさんあるものです。

さあ、あなたも型にはまってみませんか?

 

 

ココロニモナイオト

先生はギターをプレイしながらスキャットします。

スキャットと言えば、思い浮かぶのはジョージ・ベンソンですよね。

他にもおそらくスキャットするギタリストはいると思います。

しかしこれはかなりの高度なレベルなんです、実は。

試しにやってみると分かります。

おそらく、スキャットよりもギターの音のほうが先行しているのでは?

これは大きな問題なんです。

私は事あるごとに「ちゃんと(心に)浮かべて音を出せ」と先生に言われます。

一音一音、噛み締めて音を出さなければいけません。

ギターは、その性質上フレットボードのポジションを見て、つまり「視覚的」に捉えて演奏する事が可能な楽器です。

それゆえ、学びやすく愛好者が多いとも言えます。

ですがここが落とし穴になります。

ポジションさえある程度把握してしまえばそこそこ演奏できてしまうんです。

より深く追求していくと「視覚的」に捉えるという事は、そういった理由でしっかりとした演奏の大きな妨げになってしまうのです。

それは「視覚」に捕らわれ、一番大切な「音を浮かべる」という事を忘れてしまうからです。

 重要なのは「音」を出す順番なのだと思います。

 

理想的なのは・・・・

  1. 音を浮かべる (心)
  2. 楽器上でその音のでる位置を確認(腕)
  3. 実際に音を出す(楽器)

といったところでしょうか。

 

譜面を見ながら演奏している(クラシックなど)場合は1の前に譜面を見るが足されますね。

ジャズの場合、この3段階のサイクルを瞬時にやるということになります。

視覚的に捉えてしまうと1段階目が無くなってしまいますね。

そう、それは楽器まかせのダメな演奏。

個人的に「心にも無い音(演奏)」と名付けました。

言葉と一緒で心にも無いものは説得力に欠けるものです。

さて同じような言葉で「心無い」という言葉がございます。

今回の事で、さてどちらを使おうかと思ったのですがどうやら受け取り方によってはどちらも使えそうです。

 

心無い ひどい事 無情な事 理不尽な事・・・酷い

心にも無い  本心では無い事 嘘 でまかせ・・・

 

楽器まかせのダメな演奏を聴けばひどい仕打ちと思ってしまうかもしれないので、そうなると受け手にとっては「心無い音」でもいい気がしますよね。

つまりプレーヤーが心にも無い演奏をすれば、聴衆は心無い演奏と感じてしまうといったところでしょうか。

 

1日練習しなければ自分に分かる。
2日練習しなければ批評家に分かる。
3日練習しなければ聴衆に分かる。

ルフレッド・コルトー (仏のピアニスト)

 

無責任な音の羅列は避けたいものです。

自分の出す「音」には責任を持たなければいけないと思いました。

 

 

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ドリアンてなんだろう?

ジャズを習っている方なら、まずご存知だと思います。この「ドリアン」という言葉。

ジャズのアドリブでは2度ー5度ー1度(ルート)の動きが基本となります。

「ドリアン」とは2度マイナーを指しております。つまりサブドミナント

先生は「自分はドリアンプレーヤーだ」と言います。

さてどういう意味なのでしょうか?

それはドリアンを基軸にラインを組み立てているからだそうです。

例えばDm7ーG7ーCM7だとしたらDm7が2度ですよね。

もちろんDm7はドリアンになりますが、もう一つドリアンがでてきます。

それはG7の裏コードのDb7の5度。

つまりAbm7がでてきます。

このAbm7でAbドリアンが導き出されます。

これはどういう事かと言われたら一瞬の転調という事になります。

本来のコードがG7で、そこにDb7が重なってくるので一瞬F#Mキーに転調するのです。

Db7はF#Mのドミナントですからお分かりかと思います。

つまり「半分の距離」減五度に転調したと言う事ですね。

こうする事で一瞬、不思議な浮遊感を得られるのです。

G7で、もし普通に弾きたいのであればDドリアンをそのまま引っ張ってくればGミクソリディアンになりますし、オルタードにしたいのであればAbドリアンの7thの音をシャープさせてメロディックマイナーにしてあげればいいです。

「ドリアン」はとても使い勝手のよいツールなのです。

 

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