Dead Musicians Society

日々の話や音楽工房ピーチジャムのことを綴っていきます

個性とは?

 

こ‐せい【個性】

個人または個体・個物に備わった、そのもの特有の性質。個人性。

デジタル大辞泉の解説〜コトバンクより

 

最近はこの「個性」を全面的に出すのが良いという考え方が良しとされているような気がします。

ちょっと前ですがあるアニメ映画の主題歌で「Let it go」という曲が流行りましたよね。

"ありの〜 ままの〜・・・" 

とかいう歌詞をあちらこちらで聞いた覚えがあります。

私は映画を観ていないので正確な事は分からないのですが、主人公が「ありのまま」という境地に達するのには紆余曲折があったんだと思います。

色々あっての「ありのまま」とそうでない「ありのまま」では全く違うのだと思います。

つまり「個性」という言葉を「ありのまま」とするならば、私は個性を全面的に出すのは違うのではないかと思っているのです。

なぜなら、個性とは隠しても隠しても隠せないものだから。

つまり全面に押し出す必要なんてないものだと思うのです。

あなたの周りにも居ませんか?

ムリをして個性を出そうとしている人。

突拍子もない事を言い出したり、とんでもない服を着ちゃったり、とにかく人と変わった事を無理やりやっている人。

それって個性なのかなぁ?

もちろん人と違った事をやろうという心がけは大切です。

でも、他の人が右に行くのなら自分は左にっていう考えはちょっと違いますよね。

自分の進む方向が他人と同じでもいいと思います。

むしろ最初はそれが当たり前だと思います。

とにかく他人と同じになっても気にせずやってみる事がいいです。

そのうち他人と違う道が見えてきますからね。

個性は心に秘めているくらいがちょうどいいんです。

そのうち嫌でも表に出てしまいますからね。

ジャズでも最初は色々な「フレーズ」を覚えます。

それは人と同じものです。

たくさんのジャズプレイヤーがそれを学びます。

そうしているうち、そのフレーズが「歌」へと変化していきます。

そうなって初めて「個性」が確立されるのだと思います。

そして初めて先生のような演奏ができるようになるのでしょうね。

今回の動画は「Moon River」です。

そこには良いプレイをしようという欲すらありません。

ただありのままの今現在をプレイしているように聴こえます。

 

 


Moon River ~ Solo Guitar 笹原孝之